FARSCAPE - Klaus Schulzeが描く彼方の風景
以前触れた元Dead Can DanceのLisa GerrardとKlaus SchulzeのコラボレーションになるCD,FARSCAPE(彼方の風景)が届いた。YouTubeの映像で見ることができる通り、近年のSchulzeの作品ではもっとも力の入ったものという印象。モダンな宗教建築の回廊を思わせるアルバムカバーの写真がその音楽観を象徴している。
ライナーノーツにあるDead Can DanceのLisa Gerrardが本作に参加した経緯が面白い。Klaus Schulzeは、新しいマネージャ志望者をテストするために、長年コンタクトを取りたいと思い続けていたLisa Gerrardに連絡をつけて彼のスタジオに連れてくる、という課題を与えたところ、見事に Lisa Gerrardとのレコーディングセッションの手配を整えて、マネージャとなることができた。
ファンには気になるこの作品のレコーディング状況は次のように書かれている。6日間の予定でレコーディングに入り、最初の日は食事をして森を歩いただけ。2日目にからはLisa Gerrardに彼が用意したマテリアルを聴かせると、「じゃ、録音しましょう」と彼女は一人でボーカル録音ブースに入り、Klaus Schulzeの音楽に完全なインプロビゼージョンで歌をレコーディングしていった。ほとんど一発録音で、次々と進み最後はSchulze が「もうこれ以上のマテリアルが用意されていない」と伝えるまでの続いた。そうした6時間におよびレコーディングからセレクトされたのが、この「FARSCAPE」とある。
Lisa Gerrardは、彼の音楽を「(エレクトロニックミュージックはナチュラルであり)無垢で純粋なもの」と表現している。Schulzeの長年の聴き手にとって、特にTimewindやMirageという系列のアルバムが好きなら、このアルバムはそのもう一段高みにある、耳を傾ける価値のある音楽だ。
このCD をプレーヤにセットして聴き始めLisaの歌声が聞こえてきたときに、ワーグナーの系譜というかそのゲルマン音楽の豊潤なうねりが押し寄せてくる。それは「ヴェーゼンドンクの5つの歌」や「トリスタンとイゾルデ」に通じている。
○参考リンク
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