Anekdoten 来日公演 - コミュニティとしての音楽
結成15年になる北欧プログレッシブロックの代表的なバンド「Anekdoten」、1/12の初日のライブを見てきた。場所は初台にあるDoorsというライブハウス。整理券番号順の入場のために40分ほど寒空の下で待たされてから中へ。それほど広くなくキャパは300人位だろうか。整理券番号は160 番だったがラッキーなことにステージ右側の前から3列目の近い場所を確保。スタンディングのためその場所に立ったままさらに30分ほど待つことに。
ステージには左から、Mellotron(!) とDellのノートPCに接続されたMIDIキーボードのセット、Marshallアンプに多数のエフェクター、Gibson SGとLesPaulのギター、多彩なシンバルセットを備えたドラムキットの横にampegのベースアンプとRickenbackerのベース。このシンプルなステージからでも音楽が想像できる。
そして、7時丁度にメンバーはステージに現れて演奏が始まった。オープニングナンバーは1999年の3枚目のスタジオアルバムの、そして最も僕が好きな曲である「From Within」。ドライブするベースラインと細かいリズムを刻むドラムが一気にメインテーマになだれ込む。彼らが単にノスタルジックに70年代プログレシッブロックのボキャブラリーを使っているのではなく、今の時代性の合わせ鏡の中に取り込んでいるのだという感覚が確信に変わっていく。
彼らがMellotronを多用することから、日本では初期のKingCrimsonの末裔のようなプロモーションが目に余るが、本当は彼らの音楽の中でMellotronという楽器は「再発見」され、その音楽の一部になっている。おそらくこれだけMellotronという楽器と音楽が一体になっているのは過去にも例がないほど。
演奏は2回のアンコールを含む2時間30分。すべてのアルバムから代表曲が演奏されさながらグループの回顧展のようで音楽的な変遷もライブ演奏を通じて理解できたし、何より彼らが自分たちの音楽に誠実である、自分たちの音楽をやり続けるという姿勢がよく伝わってきた。そうした意味でもとても充実した時間だった。僕にとってはこれまで見たライブの中でももっとも印象深いもののひとつとなったことは間違いない。
PS:実は後日メンバーと偶然合うことができた。1/15に打ち合せの合間に新宿DiskUnionに立ち寄ったら、すぐ後でメンバー3人がレコードを探しにやってきたのだ。少しだけ立ち話をすると、今回のライブはけっこう強行軍だったようで週末のライブの後、月曜だけが休みで火曜日には成田からスウェーデンに戻るとか。日本では特別に長い時間のライブになったこととかをギターのNicklas Bergから聞くことができた。全曲の歌詞を書いているベースのJan Erik Liljestromには歌詞の世界観について少し話ができたし、彼が歌詞や音楽的な面でPeter Hamilleの影響を受けていることを知ることもできた。
●参考リンク
・www.anekdoten.se
・YouTubeから「From Within」のリハーサル映像


