悪者を必要とする日本のメディア
リーマンブラザーズの破綻をきっかけに、世界の市場で株価の下落が続いている。ただ日本のメディアの取り上げ方にはどうも納得がいかない。ファイナンシャルビジネスはそんなに非難されるようなものだったのだろうか? それは単にバブルとか錬金術とかいう低次元の比喩で切り捨てていいものだろうか? こういうときだからこそスケープゴートをつくるのでなく、冷静で正確な報道が必要だと思うのだが。
今回の米国株式市場での混乱と下落と受けて、一部の国内の新聞の社説や論評にはやたらと、ヘッジファンドやデリバティブを扱った金融機関を「虚業」であるとか「錬金術」であるとか、まるで詐欺師のように報じるのは、ジャーナリストとしてあまりにレベルが低い。欧米の名だたる金融機関が全てそうした詐欺的なファンドにだまされたとでも信じているのだろうか? それでは何もこの問題の本質を伝えていない。
今回の騒動の発端となった所謂サプライムローンにしても、住宅ローンを細分化して債券化することでリスクをヘッジできるから本来は住宅ローンが困難な所得者でもマイホームの夢を叶えることができたわけだし、その過程で住宅建設や不動産業は活況を呈して利益を上げ、さらに言えばそうした米国の「好景気感」の中で日本の自動車産業も空前の売上げを得ることができていたのだ。つまり、「うまく機能していた」過程では誰もがハッピーだったわけだ。そしてもちろん日本の新聞やメディアも「錬金術師」の外資系金融機関から広告を得ていたのではなかったか。
少し前にも同じことがあった。利益を上げていた国内の消費者金融機関の広告をあれだけ掲載しておきながら、利息制限法の問題となると、一斉に消費者金融機関を悪者にする。日本のメディアは大政翼賛会の時代から変わることができないのか。
大切なことは、ミスリードすることなく問題の本質を伝えることと、その解決に向けた努力を適切に評価することだ。さらには僕たち一人一人が正しい知識を得る術を身につけるということ。残念ながら日本のメディアのサイトにはそれがない。
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