Web2.0ではない - 誤解されている日本のIT企業
日本経済新聞の「迫り来る真の「ドッグイヤー」・日本のウェブ2.0のいま」という記事を読んで感じたのだけど、そもそも日本のIT企業と呼ばれている会社に本当にイノベイティブな企業はあるのだろうか? 日本のベンチャーキャピタルや投資家は誤解をしているのではないかと思うことが少なくない。それが根深い問題を生み出してはいないか?
日本のように著作権者や放送事業者などの既得権者が自分たちの権利にしがみついている状況で日本のIT企業が本質的なイノベイティブなことをやれるチャンスはほとんどない。どうして日本で新しい検索エンジンができないのか、YouTubeのような大規模な映像サービスができないのか、その理由は明白。新しい産業の成長や新しい雇用の創出という観点から見たときに、この国ではどれだけ阻害要因が大きいかはわかるだろう。なので真にイノベイティブなサービスを実現するなら日本から出て実現するしかない。
もう一つはIT企業と一括りにする今の市場や報道メディアの問題がある。確かにそうした企業やインターネットやソフトウェアの技術を使っているのだが、それ自身が100%運営企業が発明したものではない。大抵の場合、既存のテクノロジーの応用であったりオープンソースの成果を利用したものでしかない。つまり、インターネットショッピングの大規模サイトであれ、SNSやブログサービスやオンライントレードを提供しているのは本質的に「テクノロジー企業」ではなく、「サービス企業」だ。つまりインターネット上のビジネスのほとんどは「サービス・ビジネス」なのだ。
前出の日経の記事に指摘される「日本ではIPO以外にイグジットがない」というのはこの誤解が原因になっている。昨年から米国ではIPOするシリコンバレーの企業はほとんどなくなっている。でどうなったかというと、GoogleによるYouTubeの買収、 MicrosoftのFacebookに対しての大規模な出資のようにM&Aや株式の譲渡がイグジットになっている。つまり「目のある、次代を読める」大企業が、新興企業にコミットすることで、自分たちのビジネスを強化している。
振り返って日本では、企業側も株主も「サービス・ビジネス」を「テクノロジー企業」と誤解しているから、青田買いをし、持ち上げるだけ持ち上げて、あとは投げ売りという悪循環を繰り返す。それにIT大企業はゼネコン体質なので「次代を読む」ことなどできはしない。「泥のように10年働け」などという役員がいるようでは、若者はだれもこの産業にはやってこない。
だから日本でまじめにITビジネスをやるというのは、とてもタフなことなってしまうのだ。それでも(僕もそうだし)周りにいる日本で新しいITビジネスを続けようとする人たちの思いは同じ。「この状況を変えよう」ということ。僕たちに変えることができれば、きっと後に続いてくれる世代がいるはずだから。
○参考リンク
日本経済新聞:迫り来る真の「ドッグイヤー」・日本のウェブ2.0のいま(下)


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