How Benjamin Button got his face - リアリティの追求
ブラッド・ピットが主演した映画「ベンジャミン・バドン」がどのように実現できたのか、映画におけるCGの現在ついてTEDのセミナーで紹介されている。最近新作の映画をほとんど見ていないのだけど、こうしたテクノロジーは表現の幅や映像の可能性を広げるのだろうが、作品の意味や質に貢献することはできるのだろうか?
スピーカーはEd Ulbrich。映画「ベンジャミン・バドン」の企画はずいぶん前からあったが、最大の問題は主演俳優の老人の姿をどうするか。内容から特殊メイク程度は不十分でリアルなCGを作成する必要があった。当時の技術では下のビデオ画像の背景に写っているように顔にドットをつけてそれをサンプリングする方式が主流。それは表情を作るには全くデータが足らない。そこで次に開発されたのが、顔に特殊な塗料を塗り顔全体をリアルタイムにスキャンする方法。これがブレークスルーとなり「ベンジャミン・バドン」の映画は実現化に向かう。
老人時代を実際に演じているのは頭にブルーのキャップをかぶった別の俳優が行い、後からブラッド・ピットが演じる表情をリアルタイムに反映したCGの頭部に置き換える。その過程にグロテスクなものを感じてしまうのは僕だけだろうか?
この他にも技術的には、フィルム上のライティングの状態を即座にCGの合成画像に反映するなど非常に高度なテクノロジーがふんだんに盛り込まれている。
僕がこのセミナー画像を見て思い出したのは、SF作家・Phillip K. Dickの作品にある「ヤンシーに習え」という短編。実在しない合成されたキャラクターが何気ない台詞を話して、人々をマインドコントロールしていくというもの。
僕ら自身がリアルなものとそうでないものを見分けないといけないのだ。

